2011年07月29日

ピノさんの乗馬靴リペア日記

File01 「やさしい対応とやさしい修理代」
「あの〜、すみません。こちらでは乗馬靴も修理してもらえますか?」と恐る恐るピノに来られたのは、大阪府下の某乗馬クラブに所属するY.Kさん(女性)。初めてのご来店以降、もう何度もお見えになっているが、最初はとても遠慮がちな話し方だった。

「それまで修理を頼んでいた人が気難しいコワい方で、つい恐る恐る話すのがクセになっていた」とのこと。乗馬靴は特殊な靴で修理にも専門的な技術が必要だ。そのため、古い体質の業界の職人に修理も頼らざるを得ないのも現実だ。

 そんなY.Kさんの乗馬靴を、ピノではいつも通りの修理をして、いつも通りの修理代をお願いした。すると、「やさしい対応とやさしい修理代だ」とY.Kさんはとても気に入ってくれたようで、乗馬クラブのお友達にも「“ハヤイ、ヤスイ、キレイ”の3拍子揃ったお店だ」と当店を紹介してくれるようになった。

 まことに、ありがたいことです。


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2011年05月24日

ピノさんの手作り靴日記

File21 「手作りのウェディングシューズ」

「アッ、いま地震です!すごく揺れています!」と彼女は恐怖の言葉を口にした。
それは試着用のウェディングシューズの履き具合について、電話で打ち合わせをしている最中の出来事だった。

彼女の住む東京は、東北大震災の余震で揺れていた。幸いその地震で彼女に怪我などはなかったものの、地震は関東地方の交通やインフラの復旧をさらに遅らせることになり、彼女の日々の生活に不便を生じさせた。
しかし、チャーミングで明るい性格の彼女は、そんな不安定な状況下でも、試着して気になったことなどを、しっかりと適切に私に伝えてくれた。

そもそも彼女に出会ったのは、今年の2月頃。彼女のお姉さんがネットでピノを見つけてくれたのがきっかけだった。その時は、彼女の足にあう靴は無かったけれど、いく度もの試行錯誤を経て、5月には手作りのウェディングシューズができあがった。

待ち遠しい7月の結婚式。ウェディングドレスの裾から見え隠れする純白のその靴は、彼女の新生活のスタートを一歩一歩力強く応援するはずだ。 
ご結婚、本当におめでとうございます。お幸せに!

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2011年03月02日

ピノさんの手作り靴日記

File20 「念願の…」

 「毎日が水の流るるがごとく、静かなる地で心穏やかに靴作りを…」な〜んて初夢を見たかったけれど、バタバタと昨年末を過ごし、ガチャガチャと新年を迎え、アッという間に2月も過ぎ去り、「もう3月、早いなあ!!」…と言ってもしょうがないか。

 実はこの2011年、私は生まれて初めて爺ちゃんになった。私の長男に女の子が生まれたのだ。私の手のひらにすっぽりと収まる、孫の小さな手と小さな足。まことに可愛いらしい。でも、私は孫にベタベタする巷の爺さんみたいにはなりたくないのだ。断じて。

 それでも孫のために、その可愛い足を包むベビー靴を作ることに決めた。孫にとって初めての靴。赤色がいいか、ピンクがいいかと迷い、ピンクで作った。2日がかりでベビー靴は完成。こちらも孫に負けないくらい可愛い靴ができた。もちろん赤ちゃんに優しい素材で、安全機能の靴だ。

 ゆっくりと時が流れた、ほのぼのとした工房の2日間。静かなる地で心穏やかに、念願の初孫の靴作りを叶えた。

 オヤッ?…もしやこれが見たかった初夢かい?

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posted by ピノ at 17:23| 大阪 雨| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年12月08日

ピノさんの手作り靴日記

File19 「Mr.ピノこと、廣瀬洋一さんのこと」

今月は少し趣向を変え、知人の坂元雄二さんに私のことを紹介して頂こうと思う。

オーダーメイド靴や、靴・鞄の修理店「シューテック ピノ」の店主、Mr.ピノこと廣瀬洋一氏をご紹介!

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廣瀬さんは、人知れずマルチに活動している方。
大阪市内の大病院・整形外科のスタッフ研修会でスピーチしたり、某百貨店の「靴の相談会」に招かれたりと活動中!

廣瀬さんの知人で、薩摩出身・坂元雄二のレポートでした。
posted by ピノ at 12:44| 大阪 晴れ| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年09月03日

ピノさんの手作り靴日記

File18 「やっと、会えたなぁ!」

 「想いを寄せた恋人に、やっと会えたような…」と感想をくれたのは、大阪府枚方市にお住まいのM・Yさん(81歳 女性)。

 あれは平成20年のアジサイが咲く梅雨の季節。ピノのお客様の紹介のまた紹介の、いわゆる口コミで、初めて彼女が私の店に来られた。彼女の足は永わずらいの「外反拇趾(がいはんぼし)」で、しかも足に合う靴はまずないだろうと思われる状態だった。

 彼女に合ったオーダーシューズを約2カ月で創り上げ、引き取りに来られるのを待った。しかし、音沙汰がない。お歳もあって、そのうち都合の良い時に来られるだろう、靴がカビないように(笑)保管しながら、気長にご来店をお待ちすることにした。

 ところがその年の秋ごろ、彼女が転倒して「大腿骨を骨折してしまった」との知らせを受けた。「そうか、それならば余計に、足への負担を少なくしてあげなくては!」そう考え、いま一度靴の作り替えを行なうことにした。

 年が明けて、やはり梅雨のある日、店の扉が開いた。一年ぶりのご来店。
「やっと会えたなぁ!私の靴に…」
 彼女のかわいい笑顔がはじけた。

 でも良かったなぁ。靴がカビてなくて!(ピノ店主)

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posted by ピノ at 11:31| 大阪 曇り| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年05月28日

ピノさんの手作り靴日記

File17 「再会」

今年の春頃のお話。

朝、店内の掃除を終えて一休みしているところに、一人の青年が店に入ってきた。「いらっしゃい!」と出迎え、エプロンを付けながら、私はその青年の顔を見た。

初めてのお客さんかな…?そう思いながら、カウンター越しに「今日は何か?」とお聞きした。

「これ直りますか?」

彼は財布を示した。見るとボタンが壊れているために財布が閉じないのだ。比較的簡単に修理ができそうなので、そのまま待って頂き、さっそく作業に取りかかった。5分程で元どおり。直った財布を手に、彼は笑顔でこう言った。

「おじさんが元気で良かった!」

聞くと今から7年前、地域の中学生の職場体験学習で当店が受け入れた3人の生徒の1人だった。彼は、今春大学を卒業して就職準備で久しぶりに実家に戻って来たのだと言う。財布は不自由ながらも壊れたままで使っていたもので、『おじさんに直してもらおう!』とずっと想ってくれていたらしい。うれしい限りだ。

地域の中学を卒業し、四国の高校に野球留学、そして、念願の甲子園にレギュラーで出場した、頑張り屋のその青年は、大学に進んで教育を勉強したそうだ。

中学の職業体験学習の時、難しくて大変だったサンダル製作に「最後まで取り組めたことがうれしかった」と、彼は懐かしそうに話してくれた。

お礼の言葉を残して彼は去ったが、その背中は頼もしい。4月からは、大阪府の教員に採用され小学校の先生になるそうだ。
 
長く仕事をしていると、うれしい「再会」もあるものだ。


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posted by ピノ at 18:46| 大阪 曇り| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年02月24日

ピノさんの手作り靴日記

File16 「赤ちゃんの笑顔のために…」

足の障害やケガなどで「ご自身の足に合う靴」がなくて困っているお客様に、日頃はオーダーメイドの靴を製作することが多い私にとって、赤ちゃんのためのベビー靴作りは、また一味違った仕事です。

赤やみどり、ピンクやブルーで作るカラフルなベビー靴は、男の子用も女の子用も作る工程は同じでも、「それぞれ違う赤ちゃんの顔」を思い浮かべながら一足ずつ手をかけて作るのは、なんとも楽しい仕事だ。

通常ベビー靴はご注文をいただいてから作るのだが、男の子用と女の子用とそれぞれ1足ずつ、実はもうすでに作ってある。これはまだ見ぬ「私の孫のためのベビー靴」で、親バカな話だが、この靴を履かせる日はいつのことかと、今から楽しみにしている。

それまではお客様の、「赤ちゃんの笑顔のために!」、一生懸命ベビー靴をお作りする毎日です。

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Pinoのマスターが一足ずつ真心を込めて製造します!
posted by ピノ at 16:46| 大阪 曇り| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年12月01日

ピノさんの手作り靴日記

File15 「ひきこもりはもう終わり」

視聴者の悩みに、名物アナウンサーがテンポ良く明快な答えを出していた某お昼番組のように、ポンポンと悩み相談ができたらいいのだが、PINOの場合は、こういった悩みを持っているお客様がいらっしゃった。

「家から出たくても出れないんです。このままではずっと私はひきこもりだわ。」そう電話で私に話してくれたのは、O.Mさんという女性の方だった。

切実な内容なので、できる限り力になりたいと思い、詳しく話を聞くことにした。

それは、発症から15年程の足の浮腫とおつき合いが原因で、外出するにも靴がないということだった。

ご主人がお休みの日、マイカーでの買物が唯一のお出かけとなっているとのこと。

電話から一週間後の土曜日、あまり気の進まない様子のO.Mさんがご主人に連れられて来店された。

浮腫は左足にあって包帯によって圧迫法の治療をされていた。当然靴はその包帯を何重にも巻いたサイズでの製作が必要だ。

保険で作るために医師の意見書など必要な書類を揃えて、2ヵ月後の完成を目指した靴づくりを提案した。

靴作りがスタートして、ようやく試作品の試着段階となり、来店していただいた。試着の状態はO.Mさんにとっては満足いくものでなかったと思う。

しかし、あくまでも試着によるデータからの調整・再製作が目的だから、現段階である程度足に合わなくて当たり前なのだ。

O.Mさんに「大丈夫なのかな?」と、心配させたかもしれないが、約束の2ヵ月目ぴったりに靴が完成!

お渡しの日、O.Mさんのほっとした表情を見て、私も安心することができた。

程なくしてO.Mさんがお土産の柿を片手に来店され、「ピノさん、ひきこもり、もうやめたよ!」とうれしそうに話してくれた。

日頃ご主人はO.Mさんに優しく接しておられ、なるべく外出の回数を増やそうと心がけておられるご様子。

今後も私の作った靴がご夫婦の外出に大きな役割を果たしてくれたらと、切に願う仕事になった。


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posted by ピノ at 16:20| 大阪 晴れ| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年09月11日

ピノさんの手作り靴日記

File14 「千客万来!!」

新型インフルエンザはこの秋に大流行が予想され、関西の景気への影響が心配だ。

このような地球規模を巻き込む客には、遠慮してもらいたいものだ。

さて、同じお客様のご来店でも時としてびっくりさせるものもある。それも滅多にないようなことが‥‥

お盆前日のこと、朝の開店準備で、店内を忙しく掃除していると、いつもは見かけない「モノ」が視界にはいった。

何だか長くてさわさわとしている。「何だろう?」と、機械の間から覗き込んで見ると…、なんと!ヘビの抜け殻だ。

びっくり仰天である。小さい頃田舎で育った私にとって、ヘビは怖くない生き物だが、でもなぜ私のお店に?

店内にはネズミやゴキブリなど、ヘビの獲物になるようなものはいないと思うし、一体何の用件で来店したのだろう。

この抜け殻の長さは、1.5メートル以上、太い胴回りだから、相当大きなヘビだ。

私が想像するに、多分「アオダイショウ」だと思う。

興奮覚めやらぬまま、意気込んで店内を探し始めたが、意外と簡単に見つかった!

機械の下に居た!そして目が合った!べろべろと茶褐色の舌を出してこちらを見ている。

やっぱり「アオダイショウ」だ、私は確信した!

いつから居たのか、疑問だらけだが、それよりこの状況をどうするかが先決だ。

お客様のパニックを想像したくない!捕まえてどこかに捨てようと思ったが、ヘビに手を伸ばすと、ヘビは落ち着いた足取り(?)で玄関を出ていってしまった。

珍しい客だったが、現代の風景の中にも、昔と変わらぬ地球の同居人は居て当たり前であって、そんな彼らにも彼らなりの営みがあるのだ。

昔から「アオダイショウ」は家の主とも言うし、人間が軽々しく体にさわるなど罰当たりなことかもしれない。

そう考えると、ピノが入居しているこの建物全体でねずみの発生を聞かないのは、今回のヘビのおかげかも、「千客万来」はなにも人間だけに限らないのだ。


追記
ヘビの抜け殻は、「身(=巳)入りがいい」という意味で「財布に入れていたらお金が貯まる」という昔からのいわれがあります。

興味がある方は、お裾分けしますのでぜひPINOへお越し下さい!


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posted by ピノ at 13:49| 大阪 曇り| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年05月28日

ピノさんの手作り靴日記

File13 「ねばり勝ち」

東大阪市在住のTさん(61歳男性)は、車椅子の生活になって、10年が過ぎた。

半身のマヒと右脚にリンパ浮腫があって歩行が困難な状況だ。

右の足は30センチをオーバーにするような大きさになっているため、

満足に使える既製の靴はない。外出時には靴が無いことで気後れさえしてしまう。

大阪市内のリハビリセンターなどでご主人の足が入る靴を探してもらっても無く、

掛かり付けの先生から紹介してもらった靴型装具専門会社でもだめだった。

しかし、このTさんを献身的に支え、内助の功を発揮する奥様は立ち上がった。

ご主人の介護のかたわら、ヘルパーの仕事を通じて知り合いになった

女性からピノのオーダーシューズのことを聞いたのだ。

「主人に特製の靴を作ってあげたい、でもいったいいくらかかるんやろ?」

「ほんまに作って貰えるんやろか…?」

こんな不安をかかえて当店に初めて来られたのが今年21年の春。

奥様のお話を聞くと、Tさんは身体障害者手帳を取得されているので話は簡単だ。

「東大阪市の福祉制度を利用すれば、市が9割負担してくれるのでお安く作れますよ」

というわたしの説明に、奥様は「えっ9割?ウッソー!!」と驚きの声。

役所に提出する書類などは煩雑だが、すべてピノが代行する訳だから

ご本人にとって負担が少ない。

約2ヵ月を要して先行試作の靴を試着してもらう。

fusai.jpg大筋で良好な感じだ。そして3週間後の5月12日、待望の靴のできあがり。

今まで「足が入る靴」を探していたTさんは、「足に合わせて作られた靴」が

ホントにすんなりと履けることに感動されたようだ。

これは奥様の、深いご主人への愛情と、靴を作りたいと願う心の「ねばり勝ち」である。

オーダーシューズのことなら http://www.tech-pino.com
posted by ピノ at 11:33| 大阪 雨| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする